ブレンボのRCS コルサコルタ ラジアル ブレーキマスターシリンダーは、ブレーキの初期制動(レスポンス)が変更可能なブレーキマスターシリンダー。また、レバーレシオの変更で、語弊を恐れずに書くと、ブレーキを握ったときの硬さも変更可能。
わたしが乗っている2023年モデルのBMW S1000RR(以前は2021年モデルのS1000RRにも乗っていました)にはニッシン製ブレーキマスターシリンダーがついています。このマスターシリンダーはブレーキを握り込んだところでの微妙なコントロールがしづらく、また、街乗りでは初期制動が強すぎると感じていました。
そこで、RCS コルサコルタ ラジアル ブレーキマスターシリンダーに交換したところ、ブレーキのコントロール性と初期制動に感じていた不満が全て解消し、とても扱いやすいブレーキになりました。
しかも、RCS コルサコルタは、ブレーキリザーバーマウンティングキット S50タンク(メーカー品番:110.A263.85)を使えばBMW S1000RRに無加工で取り付け可能。
この後、BMW S1000RRのニッシン製ブレーキマスターとブレンボ RCS コルサコルタのフィーリングの違いをレビューしますので、気になった方は続きをチェックしてください。
また、
- レバーレシオの変更方法
- ブレーキレスポンスの変更方法
- S1000RRに取り付ける時の注意点など
を詳しくお伝えしますので、気になった方は続きをぜひチェックしてください。
ブレンボ RCS コルサコルタはブレーキレスポンスを変更できるラジアルブレーキマスターシリンダー
ブレンボのRCS コルサコルタはブレーキレスポンスを変更できるラジアルブレーキマスターシリンダー。
ブレーキレスポンスは「ノーマルモード」「スポーツモード」「レースモード」の3通りに変更可能。
- N(ノーマルモード)
- マイルドな初期制動で「街乗り」に最適な設定
- S(スポーツモード)
- ノーマルモードよりも、初期制動が強くなる
- R(レースモード)
- スポーツモードよりも、さらに初期制動が強くなる
もちろん、RCS コルサコルタはレバーレシオの変更も可能。
レバーレシオが18mm/20mmの可変式だと
- 20mm
- ブレーキシステムの「即応性」が向上し、ストリート用に適している
- 18mm
- ブレーキシステムの「コントロール性」が向上し、サーキット用に適している
ブレンボ RCS コルサコルタのレバーレシオとブレーキレスポンスの変更方法を解説
では、ブレンボ RCS コルサコルタのレバーレシオとブレーキレスポンスの変更方法を解説しましょう。
レバーレシオの変更方法
レバーレシオの変更方法は、レバーにあるマイナスネジを付属のマイナスドライバーを使って行います。
付属のマイナスドライバーを無くした場合は、先端の幅が2~3mmのマイナスドライバーを用意してください。PBだと0番(品番:PB 8100.0-80)、VESSSELだとNo.730(+3×150)がいいでしょう。
マイナスネジは時計回り、反時計回りのどちらに回しても構いません。また、どちらに回しても止まることなく永遠に回り続けます。
マイナスネジを回していると”コン”とクリックを感じるポイントがありますので、クリック感があったポイントで赤色のペイントが見えれば18mm。黒色なら20mmとなります。
ブレーキレスポンスの変更方法
ブレーキレスポンスの変更はダイヤルを回して行います。
- N(ノーマルモード)
- マイルドな初期制動で「街乗り」に最適な設定
- S(スポーツモード)
- ノーマルモードよりも、初期制動が強くなる
- R(レースモード)
- スポーツモードよりも、さらに初期制動が強くなる
このダイヤルは非常に硬くて回しづらい作りになっています。硬いので工具を使って回したくなりますが、ダイヤルはプラスチックで作られているようなので工具は使わない方が良さそうです。
2023年モデルのBMW S1000RRのニッシン製ブレーキマスターとブレンボ RCS コルサコルタのフィーリングの違いをレビュー
RCS コルサコルタのレバーレシオを20mmにしてブレーキレスポンスをレースモードにすると、2023年モデルのBMW S1000RRとほぼ同じブレーキフィーリングに感じます。
おそらくマイナーチェンジ前の2022年モデルでも同じ感じでしょう。
※2019~2021年モデルはキャリパーが違いますが、これも恐らく同じようなフィーリングだと思います。
わたしはが2023年モデルのBMW S1000RRのフロントブレーキで不満に感じていたのは次の2点。
- 街乗りでは初期制動が強すぎる
- ブレーキの握りしろが少ないので、ブレーキを握り込んでからの微妙なコントロールがやりづらい
純正のニッシン製ブレーキマスターシリンダーからRCS コルサコルタに交換することで、上の2点の不満を解消することができました。
ちなみに現在はレバーレシオを18mm。ブレーキレスポンスをスポーツモードにして乗っています。
また、RCS コルサコルタのレバーレシオを18mmにしてブレーキレスポンスをノーマルモードにすると、BMW RninT Scramblerのフロントブレーキに近い柔らかなブレーキタッチになります。
2023年モデルのBMW S1000RRのブレーキマスターをRCS コルサコルタに交換するときの注意点など
2023年モデルのBMW S1000RRのブレーキマスターをRCS コルサコルタに交換するときの注意点などをお伝えします。
ブレンボのマスターシリンダーは偽物に注意
ブレンボの製品は偽物が流通しているようです。偽物に騙されないためには、対面販売でもネット通販でも「正規代理店」で購入するのが大切。
わたしがRCS コルサコルタを購入したのは「プロト公式ストア 楽天市場店」です。「株式会社プロト」はブレンボの正規代理店。その株式会社プロトが楽天市場に出店しているのが「プロト公式ストア 楽天市場店」なのです。
ネットで高額商品を購入するときは特に偽物に騙されないように気をつける必要がありますが、正規代理店から購入すればその点は安心ですね
また、ブレンボでは本物のブレンボ製か見分けるスマホアプリを用意していますので、気になった方は利用してみてはいかがでしょうか?詳しくはブレンボのサイトをご覧ください。
NISSIN(ニッシン)とブレンボではリザーバータンク(オイルタンク)用ホースの内径が違う
NISSIN(ニッシン)とブレンボではリザーバータンク(オイルタンク)ホースの内径が違います。
- NISSIN:内径7.3mm
- ブレンボ:内径6mm
そのため、リザーバータンク用のホースはもちろん、リザーバータンクも交換する必要があります。
また、ブレンボのリザーバータンクをS1000RR標準のリザーバータンクのステーに取り付けることは出来ません。そのため、ブレンボのリザーバータンク用に新たにステーを用意する必要があります。
ブレンボでは、リザーバータンク、リザーバータンク用ホース、リザーバータンク用ステーのセットを販売しています。リザーバータンクの取り付けに特別なこだわりが無ければ、このセットが取り付け簡単で、おすすめです。
わたしが選んだリザーバータンクはS1000RRとほぼ同じ容量のブレーキリザーバーマウンティングキット S50タンク(メーカー品番:110.A263.85)。リザーバータンクのカラーはクリアーです。他にスモークがありますが、お決まりのブレンボタンクカバーを着けるので価格の安いクリアーにしました。
このセットなら2023年モデルのS1000RRに無加工で取り付け可能。
スクリーンとリザーバータンクの隙間も絶妙な感じです。
2023年モデルと2019〜2022年モデルのS1000RRではスクリーンの形状とステアリングヘッド角度が違いますが、ブレーキリザーバーマウンティングキット S50タンク(メーカー品番:110.A263.85)を無加工で取り付けできるでしょう。
S1000RRの2023年モデルと2022年モデルの違いは次の記事にまとめてますので、気になった方はチェックしてください。
ブレーキランプ用のスイッチは外してOK
2019年以降のS1000RRのブレーキランプ用スイッチは油圧スイッチが使われています。ブレーキレバーを握ってブレーキオイルの圧力が高くなると油圧スイッチがONになってブレーキランプが点灯します。
そのため、RCS コルサコルタについているマイクロスイッチは取り外してOKです。
マイクロスイッチは2本のプラスチックのピンではめ込んでいるだけ。
適当な工具でこじれば外れます。
ブレーキホースのバンジョーとフロントフォークの接触に注意
ブレーキホースのバンジョーの向きによっては、ブレーキレバーを下に傾けるとバンジョーとフロントフォークが接触してしまいます。
ブレーキレバーの角度は人によって好みが分かれますが、下に傾けがちな方はブレーキホースのバンジョーの向きを気にした方がいいでしょう。
まとめ【レビュー】ブレンボ RCS コルサコルタ ブレーキマスターシリンダー 〜BMW S1000RRのブレーキマスターを交換〜
ブレンボのRCS コルサコルタ ラジアル ブレーキマスターシリンダーは、ブレーキをかけたときの初期制動(レスポンス)を変更できるブレーキマスターシリンダー。さらに、レバーレシオの変更で、語弊を恐れずに書くと、ブレーキを握ったときの硬さを変更できるブレーキマスターシリンダーです。
わたしは2023年モデルのBMW S1000RRに乗っていますが(以前は2021年モデルのS1000RRにも乗っていました)、標準のニッシン製ブレーキマスターシリンダーではブレーキを握り込んだところでの微妙なコントロールがしづらく、また、街乗りでは初期制動が強すぎると感じていました。
そこで、ブレーキを握り込んだところでのコントロール性の改善と、初期制動をもっとマイルドにしたいと思いブレンボのRCS コルサコルタ ラジアル ブレーキマスターシリンダーに交換しました。
交換したところ、ブレーキのコントロール性と初期制動に感じていた不満が全て解消し、とても扱いやすいブレーキになりました。
RCS コルサコルタは、ブレーキリザーバーマウンティングキット S50タンク(メーカー品番:110.A263.85)を使えばBMW S1000RRに無加工で取り付け可能。
ブレーキのフィーリングに不満を感じている方は、ブレンボのRCS コルサコルタ ラジアル ブレーキマスターシリンダーに交換するれば不満が解消するかもしれませんね。
では、みなさんの参考になればうれしいです。